こんにちは。関東方面隊/PenCottFreaksのMAXです。

PenCott®*1迷彩はご存じでだろうか。関東方面隊の記事をご覧になったことのある方は名前だけはご存じだと思う。英Hyde Definition Ltd.(以降Hyde社)が開発している迷彩パターンで、Hyde社ではMission Critical Camouflage と呼ばれている。

今回は今更ながら、PenCott迷彩について少し述べていければと思う。

Hyde Definition Ltd について

Hyde社は、2008年にDominic Hyde社長によって設立された迷彩開発専門の会社。Hyde氏は International Camouflage Uniform Society(国際迷彩統一協会)のメンバーでもあり、迷彩パターンデザインの権威でもある。ちなみに彼のインスタでは”Camoufleur. Geek.”とプロフィールにあり、とちょっとシャレが聞いている性格が伺える。

因みにHyde氏は会社を立ち上げる前は1995年よりイギリス保険大手のCommercial Union/General Accident(現Aviva)に務めていたようだ。

本社は イギリス Norfolk群Hempnall。アメリカにもオフィスがあるようだ。(アメリカ人マーケティングディレクターのLawrence Holsworth氏がアメリカで営業活動を行っている(と思われる))

Hyde社では迷彩の開発だけ行われており、生地の製造はOEMで行われている。生地の主な製造はMMI TextilesTacticaltrimが行っているようだが、私自身はこの辺詳しくない為、もしかしたら現状変わっている可能性があるかも。尚生地の材質(メッシュなど)によっては別のメーカが製造している。

SandStorm™の製造写真  quote by pencottcamo.com

 

PenCott®camouflageについて

 

PenCott迷彩はデジタルパターンをベースとして、3Dテクスチャマッチング技術や360°幾何学模様技術を利用した3-in-1パターンの迷彩となっており、

現在では各環境に特化した7(+1)種類のパターンが用意されている。各迷彩について紹介していく。

 

GreenZone™

GreenZone™はその名の通り、森林地帯をターゲットに開発されている。イギリスの植生と近いからか、かなり日本の植生に効果を発揮する。日本においても一番有名で利用者数も多い迷彩パターンだ。特にその隠密性は日本の植生を前提に開発した自衛隊の2/3型迷彩と大差なく、効果は1,2を争うほどだ(と思っている。)

PenCott GreenZone

 

BadLands™

BadLans™は乾燥地、陸地、林地、半乾燥地をターゲットとした迷彩パターンであり、こちらも日本の秋~冬の植生に非常によくマッチする。特に枯葉が落ちた地面などは非常に相性が良く、プローンされると判断できなくなるほどである。

PenCott BadLands

 

SandStorm™

SandStorm™はその名の通り不毛の砂漠をターゲットとした迷彩パターン。よくAOR1やマーパットデザートと間違われるが、実際はAOR1のような独特なピンクは無く、かなり細かなパターンをしているのがよくわかる。この細かさがPenCottCamo特有のもので、高い迷彩効果を発揮している正体でもある、

SandStormとAOR1を比べた

PenCott SandStorm

 

SnowDrift™

SnowDrift™は雪に特化した迷彩パターンとなる。PenCottCamoとしては珍しく白のベースの中に青みが配色されている。

雪に特化した迷彩パターン

PenCott SnowDrift

 

WildWood®

WildWood®はポーランドのギアメーカーHelikon-Tex社とHyde社が共同開発した迷彩パターン。2017年3月26日に発表された。中欧および東ヨーロッパの森林地帯をターゲットとしており、GreenZoneをベースとして茶色の度合いを追加しているのが特徴となる。当分はHelikon-Tex社の製品で独占販売される予定となっている。

PenCott WildWood quote by helikon-Tex

GreenZoneとの比較 左がWildWood  quote by PineSurvey

 

MetroPolis®

MetroPolis®はPenCottCamoとしては初めての工業/ビルドアップ環境、低光/夜間を想定した都市型迷彩パターン。Hyde社が5年をかけて研究開発したもので、他の都市型迷彩に比べて軽い(明るめの)色合いが使用されている。これは暗い場所では軽い(明るめの)色が見づらくなり、逆に暗い色が暗い場所では白抜けしてしまう傾向を利用した次世代迷彩となっている。

PenCott MetroPolis quote by helikon-Tex

UR-Tacticalからも発売が決定している。quote by UR-Tactical

 

LeatherNeck

LeatherNeckは0421Tactical社とHyde社が共同で開発したもので、米国海兵隊で使用されているMARPATのカラーパターンをPenCottパターンに落とし込んだものになっている。LeatherNeckは海兵隊の通称の一つであり、その名の通り米国海兵隊での利用をターゲットにしたものである。既に海兵隊に試験納入されているとのこと。特に使用例が出ていない為、噂レベルとなってしまうが、海兵隊特殊部隊のMARSOCで利用されているとのことだ。MARSOCの使用例でPenCottCamoを見る日は近いかもしれない。

PenCott LeatherNeck quote by 0241Tactical

長らく生地以外の写真が出回っていなかったが、0241TACのCold Weather Beanie Capの画像で使用されているのを発見した。quote by UR-Tactical

 

BlackOps™

BlackOps™は2014年4月1日にHyde社が ニュルンベルクでのIWAで発表した都市型迷彩パターン。先ほどMetroPolisが初めての都市型迷彩と説明したが、発表はBlackOpsが先。真っ黒のベースにまるでドット抜けしているような白抜きのPenCottパターンが特徴である。

”影に消えていく完璧なパターンの中に威圧的で力強いイメージを視覚的に、心理的に支配するための完璧なパターンを組み合わせている”と説明されている。

PenCott BlackOps 大きなディスプレイでよく見ると細かなパターンが敷き詰められている quote by hydedefinition.com

Lawrence Holsworth氏がBlackOpsのTacticalポロシャツを着用している.quote by hydedefinition.com

 

 

というのは全くの嘘で、公式エイプリルフールのネタである。これを見たときはマジでびっくりした。ワクワクしながら、よく読んだら最後に”april fools….”って書いてあるんだもん2重でびっくりしました。

以上が7(+1)種類のパターンのPenCottCamo-Familyとなる。

 

PenCott迷彩の特徴

PenCott迷彩は、対IRとなっており、夜間ナイトビジョンで索敵されても、迷彩効果が有効になるように製造されている。わかりにくいと思うため、下記の動画を参考としてほしい。

左がレプリカの生地、右が実物生地となっているが、IRを有効にするとレプリカ生地は迷彩パターンが見えなくなることがわかると思う。

 

PenCott迷彩の使用例

PenCott迷彩が実際の軍隊などの現場で使用された例を紹介する。

オーストリア軍特殊部隊COBRA

COBRA使用例

ドイツの雑誌K-ISOMで紹介されている

こちらもコブラの使用例

 

ドイツ SEK  ドイツ地方警察特殊部隊(ザクセン・アンハルト州

SEK 使用例 UFPro製を着用

 

イタリア国家警察特殊部隊 NOCS

同じくUFProを着用

 

ケニア軍 特殊部隊(指導者)

ケニア軍に所属し指導するディーンウィリアムズがBadLandsを着用

 

アメリカ ワシントン州 ルイス郡 SWAT

アメリカ SWAT使用例 ルイス郡は森林が多い地域のため採用されたようだ

 

ポーランド軍特殊部隊 GROM

DirectActionのパンフレットにてGROMの使用例が確認された

番外 Halo: Nightfall( 2014年 TV-シリーズ

BadLandsが使用されている

 

最後に

如何だっただろうか。今回はPenCott迷彩本体について記事にしたが、少しマニアックな解説も取り入れてみた。

この記事で少しでもPenCott迷彩に興味を湧いてくれるとうれしい。是非興味が湧いて購入までしていただけたらPenCott迷彩限定イベント”PenCottFreaks”に参加していただきたい!

パート2は装備やギアメーカーについて述べていきたい。個人的な装備も少し紹介できればと思う。次回も是非見てください!

*1 PenCott®はイギリスにおけるHyde Definition Ltdの商標です。

 

この記事の作者

MAX
MAX
関東方面隊 広報部部長/当サイトアドミニストレータ
最近はカメラを触り出して、カメラの良さをわかり始める。
PenCottFreaksイベント運営代表
関東方面隊 PenCott迷彩推進部長